管理者
山形県西村山郡河北町大字溝延字西浦82
       まきの農園  園主 牧野 聡
メール
さくらんぼの話

佐藤錦は農家の食べ物?

  • 佐藤錦は今でこそおいしいさくらんぼの代表品種ですが、昔からたくさんの栽培されたわけはありません。昔さくらんぼといえばナポレオンが主体だったのです。このわけは次に述べる「高速交通網の発達」が非常に関係してきます。佐藤錦は今から100年ほど前に東根市の佐藤さんによって育成された品種ですが、佐藤錦のおいしい味はまったく評価されなかったのです。というものそれまでのさくらんぼは缶詰の原料として考えられていたからで、缶詰は色は着色剤で味は砂糖でいくらでも調整が利きますよね、ですから原料に求められるのは果肉の厚さだけでした。こういった理由で缶詰の原料として栽培されていたのはナポレオンというわけです。ナポレオンは完熟すると大変おいしいですが、実が軸から落ちるという欠点があり、収穫はまだ熟す前の青い実のままの状態でした。それでナポレオンは出荷用の品種として大面積で作られ、佐藤錦は農家自身とその親戚が生食で食べるものとして少しづつ作られてきたわけです。


高速交通網の発達

  • 生で食べておいしい佐藤錦はなぜ一般の消費者に渡らなかったのでしょうか?それは流通の問題でした。さくらんぼは収穫期間が2週間程度で、日持ちが収穫後2〜3日とりんごやみかんなどの他の果樹と比べて極短に短いためなのです。それまでの流通は現在のような宅急便などの輸送のインフラが整備されていなかったため、良い状態で生のさくらんぼを食べることが困難でした。宅急便が存在し始めた今から30年ほど前あたりから佐藤錦のという品種が世に知れ渡り、農家から直接購入できたり、市場でも流通することができるようになりました。さらにその後航空便などの空輸の手段もでき、沖縄や離島を除く日本全国に発送の翌日に到着することが可能となりました。パチパチ(拍手)

農協に集まるトラック


次期佐藤錦!
  • 佐藤錦はおいしいさくらんぼとして誰もが知る名前ですが、この佐藤錦もやはり欠点というものがあります。さくらんぼは日持ちしないということは先に述べたとおりですが、佐藤錦はウルミ果(*1)が発生しやすいのです。梅雨時が収穫期にあたるさくらんぼは雨によって実われを起こします。さらに雨などの湿気により病害虫が発生しやすいため、減農薬を考える上でも雨よけハウスは必需品です。雨よけハウスを行うとハウス内が高温となり、ウルミ果が発生しやすくなるのです。そのウルミに対して強いのが紅秀峰なのです。紅秀峰は大粒で果肉が固く酸味も甘味も抜群!パリッとした食感は佐藤錦を食べ慣れた人には大変好評です。私が次の佐藤錦として注目しているのがこの紅秀峰!だまされたと思ってたべてみて!
    (*)ウルミ果・・・実がやわらかくなり、ブヨブヨしてくる状態、熟し過ぎた状態。

接木をして苗木を作っています


産地直送のヒ・ミ・ツ!
  • インターネットや知り合いから頼まれて年々増えていく産地直送のお客様、よく言われるのが「お店で売っているものと全然違う!」農家の立場から言わせてもらうとそれは当然なんです。農家はやっぱり直接のお客様を大事にしますし、お店で売っているのは市場を通して入荷した物、市場はその時期の市況で価格が変わるので、農家としてはいい物は直接お客様へ届けたいのです。ましてさくらんぼは本当に日持ちが悪く6月の梅雨時に常温で1週間なんてもちません。収穫して翌日届く産直品と、市場で1日・転送されて1日・早くてもお店の店頭に並ぶのは収穫後から3日後なら鮮度がまったく違うのは理解できますよね?やっぱりさくらんぼは産地直送ですね。


雨にとっても弱いさくらんぼ
  • さくらんぼはデリケートな作物です。このさくらんぼができる時期は日本全国的に雨・雨・雨の梅雨時期です。雨にあたったさくらんぼは水をいっぱい吸って割れてしまうのです。じゃ農家はどんな対策をするかと言うと、さくらんぼの木をハウスでテントをかけてしまうのです。そうすることで、実割れをかなり防ぐことができるのです。また雨は水分のほかに様々な雑菌を運んできます。デリケートなさくらんぼは風や雨によって付けられた小さな傷からすぐに病気を発症します。雨よけハウスをすることで農薬を少し減らせるというのも大きなメリットです。田植が終わって6月に入るとハウスのビニール張りが始まります。ビニールを張ってハウスのサイドに鳥よけの網をかけて、その後色付きが良くなるように反射シートを敷いて・・・・・収穫に入るまでにはクタクタ(泣)
  
佐藤錦の雨よけハウス製作の様子
HOME
since 2002